手の痛みについて
手の痛みは、日常生活や仕事、家事など、指や手首を頻繁に使うことで起こりやすい症状です。手や指は細かな動作を担う重要な部位であり、腱や関節、神経が複雑に関与しています。そのため、負担が蓄積すると痛みや違和感が生じやすく、放置すると日常生活に支障をきたすこともあります。
手の痛みは、使い過ぎによる一時的な炎症から、腱鞘炎や関節の変形といった疾患が原因となる場合まで幅広くみられます。症状が軽いうちは我慢してしまいがちですが、進行すると指が動かしにくくなったり、痛みが慢性化することもあるため、早めに原因を確認することが大切です。
このような症状はありませんか
- 指を動かすと痛みや違和感がある
- 指が引っかかる、カクンと動く感じがする
- 手や指の関節が腫れている、変形してきた
- 手のひらから親指~薬指までの4本がしびれる
- 親指の付け根や手首に痛みがある
考えられる主な原因・疾患
手の痛みの原因として多いのは、指や手首の使い過ぎによる腱や腱鞘の炎症、関節への負担です。また、加齢に伴う関節の変形や、ホルモンバランスの変化が関係する場合もあります。女性の更年期によるエストロゲンの低下による手の症状は近年メノポハンド(menopausal handの略)と呼ばれ、関節を守る滑膜の保護作用が低下し、ばね指やへバーデン結節をはじめとする手の症状を引き起こします。当院では大塚製薬のエクエルというサプリメントの内服による治療(保険外)もおすすめしています。原因を正確に見極めることで、症状に応じた適切な治療を行うことが可能となります。
ばね指
ばね指は、指を曲げ伸ばしする際に腱がスムーズに動かなくなり、引っかかりや痛みが生じる疾患です。腱や腱鞘に炎症が起こることで発症し、朝方に症状が強く出ることが特徴です。進行すると指が伸びたまま、または曲がったまま戻らなくなることもあり、日常生活に大きな支障をきたします。局所麻酔薬・消炎鎮痛剤(ステロイド)を腱鞘内に注射をすることで、症状に改善が得られることがあります。感覚を空けて2回まで注射で治療を行えますが、それでも改善しない場合には注射による回復を見込めないため、手術療法が好ましいです。更年期の女性ではエストロゲンの減少がばね指の原因となることもあります。その場合にはサプリメントによるエクオールの補充による治療(保険外)も選択されます。
ヘバーデン結節
ヘバーデン結節は、主に指の第一関節に変形や痛みが生じる疾患です。特に中年期以降の女性に多く、加齢や女性ホルモンの影響が関係すると考えられています。関節が腫れたり、こぶのような変形がみられることがあります。初期には軽い痛みや違和感程度でも、進行すると変形が目立つようになります。疼痛の緩和、変形を予防する目的で当院ではヘバーデンリングによる治療(装具代は自費)も行っております。先述のとおり、更年期の女性ではエストロゲンの減少がヘバーデン結節の原因となることもあります。その場合にはサプリメントによるエクオールの補充による治療(保険外)も選択されます。
ケルバン腱鞘炎
ケルバン腱鞘炎は、親指を動かす腱と腱鞘に炎症が起こることで発症します。スマートフォン操作や家事、育児などで親指を頻繁に使う方に多くみられ、親指の付け根から手首にかけて痛みが生じます。物をつかむ動作や手首を動かした際に痛みが強くなるのが特徴です。装具による固定、局所麻酔薬・消炎鎮痛剤(ステロイド)の腱鞘内注射による治療を行います。
手の痛み|当院での診療・治療
- 薬物療法
- 炎症や痛みを抑え、症状の緩和を図ります。
- 運動器リハビリテーション
- 指や手首の可動域改善、筋力や使い方の調整を行い、再発しにくい状態を目指します。
- 神経根ブロック注射
- 神経の関与が考えられる痛みに対し、痛みの伝達を抑えます。
- トリガーポイント注射
- 筋肉の緊張が原因となっている痛みに対し、直接アプローチします。
- ハイドロリリース
- 筋膜の癒着を改善し、動かしづらさや慢性的な痛みの軽減を図ります。
症状の経過を丁寧に確認しながら、患者様一人ひとりに適した治療をご提案します。