外傷(骨折、脱臼、捻挫)
とは
外傷とは、転倒や衝突、スポーツや日常生活での不意の動作など、外力が加わることで骨や関節、靱帯などが損傷した状態を指します。代表的なものに骨折、脱臼、捻挫があります。
骨折は骨にひびが入ったり折れたりした状態、脱臼は関節が本来の位置から外れてしまった状態、捻挫は関節周囲の靱帯や軟部組織が損傷した状態です。見た目では軽そうに見えても、内部に強い損傷が隠れていることもあります。
主な症状
受傷直後から痛みや腫れ、内出血、動かしにくさなどの症状が現れることがあります。損傷の種類や程度によって、症状の出方はさまざまです。
骨折
骨にひびが入る、または完全に折れてしまった状態で、強い痛みや腫れ、変形を伴うことがあります。体重をかけられない、動かすと痛みが強くなるといった症状がみられます。
- 高齢者によくある骨折
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- 胸・腰椎圧迫骨折(背骨の骨折)
- 大腿骨近位部骨折(股関節の骨折)
- 上腕骨近位端骨折(肩の骨折)
- 橈骨遠位端骨折(手首の骨折)
- その他よくある骨折
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- 鎖骨骨折
- 肋骨骨折
- 足関節骨折
検査について
レントゲン、CT検査で骨折を診断します。背骨や股関節でレントゲン・CT検査でもはっきりしない骨折はMRIで診断することがあります。
治療について
基本的に転位(骨折部のずれ)が小さい場合にはギプス固定などによる保存治療が行われます。転位(骨折部のずれ)が大きい場合には手術が選択されます。ただし股関節の骨折(大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折)は転位が小さい場合でも手術が選択されることがほとんどです。
骨折は概ね3ヶ月程度で治癒しますが、全身状態・血流障害(高齢・骨粗鬆症・喫煙・糖尿病)などにより3ヶ月たっても骨が癒合しない遷延癒合、6ヶ月経過しても癒合しない偽関節となる可能性があります。
偽関節となるとそのまま経過を見ていても骨の癒合は期待できないため、痛みを伴う場合には手術加療が選択されることがあります。
そのような遷延癒合・偽関節を未然に防ぐため、当院では骨折の保存加療に骨折超音波療法(LIPUS : Low Intensity Pulsed Ultra Sound)を行っております。骨折部に微弱な超音波で刺激することで骨芽細胞を活性化させ骨折の治癒期間を30%〜40%促進する効果が報告されています。ギプス固定終了後1日20分リハビリ室で超音波をあてていただきます。
高齢者の骨折で多い胸腰椎圧迫骨折・大腿骨近位部骨折は骨折するだけで骨粗鬆症の診断となります。また、橈骨遠位端骨折・上腕骨近位部骨折があり、骨密度検査で骨量減少の場合骨粗鬆症となります。骨粗鬆症と診断された際には新たな骨折を未然に防ぐために骨粗鬆症治療をおすすめします。当院では腰と股関節ではかる精度の高い骨密度検査(DXA)が可能です。検査結果に伴い内服薬、注射剤、自己注射患者様の生活状況、経済面も考慮し最適な治療を検討させていただきます。骨折がない患者様も骨密度検査をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
脱臼
関節が正常な位置から外れてしまった状態で、関節の変形や強い痛み、動かせないといった症状が特徴です。無理に動かすと、周囲の靱帯や神経、血管を損傷するおそれがあります。
- よくある脱臼
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- 肩関節脱臼
- その他の脱臼
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- 肘関節脱臼
- 指の脱臼
- 顎関節脱臼
検査について
レントゲンで脱臼を診断します。
治療について
透視下に整復を行います。痛みで力が入ってしまうと整復が難しいことがあります。その場合には総合病院にお願いし、眠る麻酔などを使って整復していただきます。
捻挫
関節に無理な力が加わり、靱帯や関節周囲の組織が損傷した状態です。痛みや腫れが主な症状で、内出血を伴うこともあります。軽症に見えても、靱帯の損傷が強い場合には痛みが長引くことがあります。
- よくある捻挫
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- 足関節捻挫(足首の捻挫)
- 膝関節捻挫
- 手関節捻挫
- 指の捻挫
検査について
診察に加えて、X線検査を行い骨折や脱臼の有無を確認します。捻挫が疑われる場合でも、骨折が隠れていないかを確認するために画像検査を行うことがあります。
必要に応じて、超音波検査、CTやMRI検査を用いて靱帯や軟部組織の状態を詳しく調べます。
治療について
損傷の程度に応じて、固定、薬物療法、リハビリテーションなどを組み合わせて治療を行います。骨折や脱臼では、整復や固定が必要となる場合があります。捻挫の場合も、早期に適切な処置を行うことで回復を促します。