首の痛みについて

首の痛みイメージ

首は4~6kgの重さのある頭部を支える役割を担う一方で、その内部には脳からつながる大切な脊髄が通っています。首の痛みは、筋肉の緊張や疲労によるものから、交通事故によるむち打ち症、加齢や姿勢不良に伴う変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニアなど、首の骨や神経が関係する疾患が隠れている場合もあります。痛みを我慢して放置すると、症状が慢性化したり、しびれが残る後遺症につながる可能性もあるため、早めに原因を見極めることが重要です。

このような症状はありませんか

  • 首を動かすと痛みが出る
  • 朝起きたときに首が回らない、動かしにくい
  • 長時間同じ姿勢でいると首や肩、腕がつらくなる
  • 肩や腕、手にしびれを感じることがある
  • 細かいボタンがとめにくい、ペンで文字を書くのが下手になった、箸がつかえなくなった。
  • 物をおとすことが多くなった。

これらの症状が続いている場合、首周囲の筋肉だけでなく、骨や神経に負担がかかっている可能性があります。

考えられる主な原因・疾患

首の痛みの背景には、筋肉の緊張による一時的な痛みから、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどの疾患まで、さまざまな原因が考えられます。筋肉性の痛みであっても、無理な姿勢や負担を放置すると症状が長引くことがあります。また、神経が圧迫されている場合には、痛みだけでなくしびれや感覚異常が残ることもあります。原因を正確に判断するためには、整形外科での診察や画像検査を行い、症状に応じた適切な治療を受けることが大切です。

変形性頚椎症

変形性頚椎症は、加齢や長年の姿勢不良などにより、首の骨(頚椎)や椎間板が変性することで起こる疾患です。頚部から肩にかけての痛みやこりなどの症状が現れることがあります。

頚椎の変形により神経(神経根)が圧迫されているものを頚椎症性神経根症、脊髄(頚髄)が圧迫されるものを頚椎症性脊髄症とよびます。

頚椎症性神経根症は、椎間板のすり減りによる骨の変形によって神経が刺激・圧迫されることにより、首の痛みだけでなく、肩や腕のしびれ、だるさが出現します。重症になると手の筋力が低下することがあります。

頚椎症性脊髄症により脊髄が圧迫されると、肩から腕・手にかけてのしびれ、重症化すると体幹部から下肢にかけてのしびれを伴うこともあります。ボタンがとめづらい、ペンで文字を書きにくい、箸がつかいづらいなど細かい動作がしづらいといった症状が現れることがあります。頚椎症性脊髄症がふらつき・歩行障害の原因となることもあります。

初期の段階では首のこりや違和感程度で済むこともありますが、進行すると慢性的な痛みや神経症状が強くなり、症状の改善も見込めなくなる可能性もあるため、早期の診断と治療が重要です。

変形性頚椎症(頚椎症性神経根症・頚椎症性脊髄症)ではレントゲンによる首の変形など形状の変化・異常の有無を調べた上で、CT・MRIなどの精密検査を追加することがあります。

首から肩にかけての痛みには痛み止めの内服と頚椎カラーなどの装具による安静、運動器リハビリテーション、物理療法を行います。

頚椎症性神経根症では、上記の治療にもかかわらず、それでもなお痛みが持続する場合には局所麻酔と抗炎症剤を用いた神経根ブロックを行います。

頚椎症性脊髄症は、症状の進行によっては後方除圧術や前方固定術などの手術加療も検討されます。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中にある髄核が突出し、神経を圧迫することで発症します。首や肩の強い痛みに加え、腕や手にしびれや痛みが放散するのが特徴です。椎間板の加齢は20歳ごろから始まると言われ30歳~50歳頃の年代に多い病気です。症状が強い場合には、力が入りにくくなるなど日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な検査と治療方針の判断が必要となります。

レントゲンで椎間板の厚みなど脊椎の形状の変化を確認し、MRI検査でヘルニアの神経の圧迫を確認します。

痛み止めの内服、頚椎カラーなどの装具による安静、運動器リハビリテーション、物理療法などで治療を開始し、それでもなお痛みが持続する場合には局所麻酔と抗炎症剤を用いた神経根ブロックを行います。保存加療が有効ですが、保存加療に抵抗性の場合には手術を検討することがあります。

頚椎捻挫(むち打ち)

頚椎捻挫、いわゆるむち打ちは、交通事故や転倒などで首に急激な衝撃が加わることで発症します。首周囲の筋肉や靱帯、関節に損傷が生じ、首の痛みや動かしにくさ、頭痛、めまい、吐き気など多彩な症状が現れることがあります。受傷直後は症状が軽く見えても、時間が経ってから痛みやしびれが強くなるケースもあり、後遺症を防ぐためにも早期の診断と適切な治療が重要です。

レントゲンでの脊椎の形状変化の有無を確認しますが、骨折・脱臼・脊髄の損傷が疑われる場合にはCT.MRIなどの精密検査の追加が必要になります。

痛み止めの内服、頚椎カラーなどの装具による安静、運動器リハビリテーション、物理療法などで治療を行います。

首の痛み|当院での診療・治療

薬物療法
炎症や痛みを抑え、症状の緩和を図ります。
運動器リハビリテーション
首や肩周囲の筋肉バランスを整え、再発しにくい身体づくりを行います。
神経根ブロック注射
神経の炎症や圧迫が原因となっている痛みに対し、痛みの伝達を抑えます。
トリガーポイント注射
筋肉の緊張が強い部位に直接アプローチし、痛みの改善を目指します。
ハイドロリリース
筋膜の癒着を改善し、動かしづらさや慢性的な痛みの軽減を図ります。